今週のお題「読書の秋」になぞらえまして。
はあちゅう初の小説集「通りすがりのあなた」がすごく良かったので感想を書いてみたいと思います^^
テーマは「友達とも恋人とも名づけられない、”あなた”との関係」。
7つのストーリーが様々な国で展開されていきます。
写真付きで短い解説文が載っているこちらの特設サイトも、面白かった。
そして「六本木のネバーランド」は無料で試し読みできます!太っ腹!
これを読んで、久しぶりの小説やっぱりいいなぁっていう気持ちと
いつぞやの「あなた」のことをふっと思い出す体験をして
早速予約。27日の発売開始を心待ちにしていて、昨日一気に読んじゃいました。
感想1) フィクションとノンフィクションの曖昧な境界線にドキドキ
誰にでもある人間関係がこんな繊細な小説になるんだ、ということにある種の感動がありました。垣間見られるはあちゅうの影が実像なのか虚像なのか…そんなところにもドキドキ。(52歳・男性)
これホント、私も思いました。
特設サイトに載っている写真とか見ると、もう止まらない妄想の波。笑
いままでの小説にはない感覚で、私にはとても新鮮でした。
はあちゅうにお会いしたことないのに、いっきに親しい友達になって
深夜に恋バナしているような感覚に陥る…
文章そのものの書き方もそうだし、情報の出し方のデザインも良い意味であざとくて
そういうところ全部ひっくるめてあらためて尊敬&ファンになりました。
感想2)鏡みたいな透明感ある文章。不思議と自分の半生を振り返ってしまう
ことばで表せないような、ゆるやかに繋がった人たち。もう会えないけれど、大切にしたい人のことを思い出しました。(35歳・女性)
この小説のすごいところは、まさにこれ。ドキドキするけど優しい絶妙な加減の文章に触れていると、いつの間にか自分自身にも「名前のない関係性」の人がいたなぁ。なんて思いを馳せてしまいます。キンモクセイの香りも相まって、きゅんとセンチメンタルな気持ちになる。それを煽ったり責めたりすること一切なく、淡々とやさしく、物語が展開していく様はもはや芸術です。この読後感をぜひ友人諸君に味わっていただきたい…
感想3)登場人物たちにいちいち共感してしまう
Kindle版で私は読んだのですが、登場人物の像や言葉がすごくクリアでリアル。
胸に迫ってくるセリフがいくつもありました。例えば…
大人になるにつれ、私だけだと思っていた孤独は、誰もが抱える種類の感情だと知った。孤独じゃないふりをするのがうまい人と、そうでない人がいるだけだ。 ー「世界が終わる前に」
誰も傷つけず誰にも咎められず、苦しくもない方法で死にたい。そんな風にぐるぐると考えていると、良い方法なんてなくって、やっぱり私、死にたくないんだ、という結論にぶつかる。死にたいというよりは、消えたい、に近いんだと思う。ロウソクが風に吹き消されるように、ふっと音もなくこの世から自然にいなくなって、悲しみや痛みのない場所に行きたい。ー「妖精がいた夜」
人間って生きるためには心だけでも体だけでもなくて、どちらも適度に動かさないと、どんどんダメになっていくと思うんだけどさ。俺、仕事してる時、自分が人間であることを忘れるよ。ロボットか何かになった気がする。それで帰り道に、ああ。今日は一回も心を使わなかったな、って思って、ちょっとさみしくなるんだけど、、さみしくなるんだけど、さみしいっていう感情があるってことは、俺、まだ人間なんだな、って思うのー「妖精がいた夜」
私は自分の性別をただ持て余していることに気づく。性別だけではない。何が似合って、どんな服が好きで、どんな音楽が好きでかもわからない。真剣に選んだことなんてない。ただ流行のもの、無難な格好に身を包み、流されて、適当に切り貼りしたものを自分だと思い込んでいるけれど、それが本当に自分なのかなんて疑問をもったことすらない。ー「あなたの国のわたし」
俺はどこにいても結局俺なんだなーと気づいちゃいました。消えられないし、逃げられないー「世界一周鬼ごっこ」
どうですか?胸に迫るものがあるよね。もう私はうんうんうなずきっぱなしで、
完全にはあちゅうの「大切な人」たちのトリコです。
他にもすてきな文章、きゅんとくる言葉がたくさん詰まっているので
どこにグッときたかみんなで交換しあう場とか作りたい〜。恋バナもはかどりそう。笑
いかがでしたか?
気になったあなた、ぜひ読んでみてください^^
そしてこっそり、感想をシェアしあったりできたらいいなぁ♪
いまのあなたを作っている、名前のつけられない関係性の話。
聞きたいし、話したい。
\こちらも合わせてどうぞ!/
愛。ほんとの意味は、わからないけど。 – ならみおダイアリー
スポンサーリンク
コメントを残す