「パラレルワーカー」「複業家」と一口に言えども、
実際には様々な種類の人がいます。
私は今年、2017年4月1日付で、
地元・山梨県都留市の地域おこし協力隊になりました。
また同日付で「古民家ゲストハウスあわ」の開業届も提出し、
個人事業主となりました。
今日はわたしがこの選択に至った経緯・理由と、
実際の働き方をまとめていきたいと思っています。
・都会で消耗したので田舎の自然に触れてリフレッシュしたい。
・将来的にそれが日常になる生活もありかもな…考えてみようかな
と思っているアナタの参考になれば幸いです。
もくじ
そもそも「地域おこし協力隊」ってなんなの?
最近ちょこちょこ聞きませんか?この「地域おこし協力隊」。
地域おこし協力隊とは人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。
…と総務省のホームページにはありますが、漠然としているので 私の所属している地域(山梨県都留市)の募集概要を記しておきますね。
- 国から1人あたり1年で400万円の予算がおります。任期は最短1年、最長3年。
- 都留市の場合、月額166,000円の報酬と社会保険・雇用保険・厚生年金完備。
- 家賃補助5万まで/月、引越してくる場合には引越し補助7万までが、400万円/人の予算の中から支払われます。
- その他、車のリースや各々の活動の資金として、残りの額を自分で予算立てして活動を行っていきます(所属課の職員さんと相談しながら)。
- 活動時間外での副業が認められています。私はそこでゲストハウス運営と、コーチとしての活動をしています。
- 募集は地方自治自治体単位で行われます。
- 都留市の場合、都留市役所企画課(移住・定住促進)に3名、産業課(産業振興)に私含め3名の隊員が在籍しています。
つまり、
・月20万前後のお給料を安定していただきながら
・自分の「やりたいこと」を実際に地域に還元していき、独立の準備をしていける
大っ変ありがたい仕組みなのです。
私は現在、産業課に所属して、
・各種イベントのお手伝いやSNS運用
・空き家を活用し民泊を始めたいという方への相談対応業務
を協力隊の仕事としてはメインで行っています。
「地域おこし協力隊」実際どうなの?
総務省管轄のこの制度がスタートして約5年。
任期を終えた元隊員の方々のその後がだんだんと報告されるようになってきています。
もっとも理想的とされているのは、
派遣された土地に馴染み、定住して起業し雇用を作り出すこと。
地域の起業に就職したり、
その土地の伝統工芸を継承すべくNPO職員になる方もいるそうです。
その一方で、
「土地になじめず任期中に退職してしまった」
「任期後も別の地域に協力隊として行くことになった」
…といった声が聞かれていることも無視できません。
それだけならまだマシ。中には
「雇用条件が悪すぎる。こんなはずじゃなかった」という人や
退職後その実態をブログに書いて炎上してる人なんかもみかけます。
なぜこんなことが起こるのか、それにはれっきとした理由があります。
それは
「地域おこし協力隊」の受け入れ予算が国(総務省管轄)からのお金であり、
受け入れ市町村は腹を傷めることなく人材を確保することができる仕組みだから
です。
つまり、採用主体と雇用主体が違うので、
実際に着任してからは完全に自分主体でさまざまなプロジェクトや仕事を起こしていかないと、やることがありません。ぼーっとしてると、市役所仕事の手伝い要員と化してしまいます。
このことは以前こちらの記事にも書きました。
そのため、安易に地域おこし協力隊に応募することはおすすめできません。
地域によって協力隊の受け入れ態勢・スタンスが全然違うからです。
でも。 上記のように「当たり外れ」が激しいのは事実ですが
その中でも「当たり」を意図的に選択すれば
田舎での自然に囲まれた、ゆるくても濃い経験を積みながら、 お金ももらえて、自分の事業の準備もできて
任期後起業する際には補助金までもらえちゃう、超ありがたい制度なんですよね。
じゃあ、その「当たり」はどうやって選択するのか?
その1つの方策として、田舎生まれの方にはまず
「自分の生まれ故郷もしくはその近隣地域で協力隊の募集があるかどうか」を
チェックしてみることをおすすめしています。
Uターンで地域おこし協力隊をすることのメリット
地域おこし協力隊となる要件の一つに
三大都市圏をはじめとする都市地域に在住し、採用後活動地域に生活の拠点を移し、 住民票を異動できる方 ※三大都市圏をはじめとする都市地域…条件不利地域 (過疎法、山村振興法、離島振興法の指定地域)以外の地域に住んでいる方が対象
という項目があります。
これはなにも、
都市で生まれ育って「田舎」のない人が、
一念発起して自分の力を発揮するために、
見ず知らずの土地に赴く構図(Iターン)に限ったことではない
と、わたしは思っています。
ただなんの後ろ盾も人脈もない田舎に「Iターンする」って、
けっこうギャンブル的なところがあると思うんです。
その土地に馴染めるかどうかって、
実際にそこに根を下ろしてみないとわからないものですし
ましてや地元の人から見たら、
外から来た人はどこまでも「よそ者」なんですよね。悲しいけれど。
だから本当の意味での信頼を獲得していくのには時間を要しますし、
協力隊の任期である3年間でそれができる人は、ほんとうにすごいと思います。
実際、3年経った後その人が土地に定住してくれるという保証がない中で、
畑を貸したり、家を貸したりすることのできる地元の方の方が珍しい
のではないでしょうか。
友人の地域おこし協力隊で農業を営んでいる方は、
10年契約で休耕地をお借りして
その覚悟をきちんと地元の人に示すことで信頼を勝ち取って行ったのだとか。尊敬…
協力隊ではなくても、全くのゼロから移住してきて
何年もコツコツと地元の人との信頼関係を築いてきた方々と
仲良くさせてもらっていますが、その方々の努力にはほんとうに頭が上がりません。
その点、地元で育ったUターン者であるわたしは、ありがたいことに相当動きやすいです。 良くも悪くも、逃げ道がありません。逃げも隠れも出来ないので、悪いことのしようがないし(笑)。 デメリットというかリスクを強いて言えば、もと地元の人間が地域おこし協力隊として採用されることで 「コネなんじゃないか」とか噂されてしまうということがあるくらいだと思います。 わたしも実際ありました。その時はそんなこという人いるんだ…ってかなりショックでしたが、 正規のルートを経て入ってきているわけでなにも悪いことしていないし、開き直ってます。笑
都会で消耗しながらもいつの間にか身についていたスキルを使って、なにか地元に貢献したい。 あわよくばそれで起業なんかできちゃったら嬉しいかも。ぐらいの方にはうってつけの環境なんです。
「地元には何もない」って嘆いていたかつての私は何処へやら。
戻ってきて、都留をわざわざ選んで住んでくれている素敵な人たちとの出会いや
協力隊になってから出会った地元の人たちの温かさに、
ふるさとへの誇りをあらためて取り戻させてもらっている、今日この頃です。
おわりに
自分の地元のことを知ること、生まれ育ったまちを好きになることは
自分自身を好きになることとも繋がっているなって思います。
私は、遅かれ早かれ田舎への移住を検討している方に都留に来てそこでの生き方暮らし方を見てもらうことで、
「ああ、暮らしって自分でつくれるものなんだなぁ」
「自分の人生の主役は自分自身なんだなぁ」
なんてことを感じて欲しくて、今日も庭の草取りに励んでいます。笑
故郷をでて都会で頑張っている、
そろそろステージチェンジかな…と思っているあなた。
あらためて、
ご自身の地元をフィールドにして「安心して挑戦できる」選択肢がある
ということを すこし頭の片隅に入れておいてみていただけると嬉しいです。
「都会育ちで、田舎がないよ~」というあなたは。
新宿から高速バスで90分。
ありすぎずなさすぎないちょうど良いまち、都留へぜひどうぞ。
自然に触れながらこれからのことを、
腰を落ち着けて考えてみる機会に、ぜひご利用ください。待ってます^^
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